クリニックの本棚にある本の紹介です。
今回は 「おサケについてのまじめな話」 西原理恵子、月乃光司著 です。
アルコール依存症についての話です。西原理恵子さんは漫画家で、「毎日かあさん」などご存知の方がいるかもしれません。
西原さんの元夫はジャーナリストでアルコール依存症でした。本書では西原さんのパートは家族の経験としてのアルコール依存症、月乃さんのパートはアルコール依存症患者としての経験が紹介されています。最後にお二人の座談で締めです。
西原さん曰く、夫は最初は家で暴れていたものの、外では愛想よかったので病気とは思っていなかったようです。アルコール依存症が病気とも知らなかったということ。夫は最後癌でなくなるのですが、それまでにどうやってアルコール依存症治療を受けるようになったのか、最後どのようにまた家族として一緒によい関係に戻ることができたたかが紹介されています。
月乃さんは精神科病院に3回入院、自殺未遂もしたという、かなり波乱万丈の人生を送ってきました。依存症という体験がどういうものか、リアルに描写されています。
文字ばかりの本なのですが、そんなに厚くなく、文字も大きくて、語り口調で書かれているせいか、非常にテンポよく読み進めることができます。描写もリアルで、引き込まれてしまうということでしょうか。抽象的なアルコール依存症解説書ではなくて、アルコール依存症体験記のような感じで、きっと読んだ方の胸には実感をもって響くものと思います。
それでいて、アルコール依存症についての知識は結構しっかりまとめられているので勉強にもなります。
うちの家族、アルコール飲みすぎじゃないかとちらっと思われているご家族にも、アルコールのことを人から言われたり、ちょっと飲みすぎかなと思われている方にもおすすめです!
西原理恵子月乃光司のおサケについてのまじめな話 アルコール依存症という病気
- 作者: 西原理恵子
- 出版社/メーカー: 小学館
- 発売日: 2010/07/01
- メディア: 単行本
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