当院が力を入れていることの一つに就労支援があります。社会との接点を持ちたいと考えている方には、就労は入口の一つとなります。
医療機関は主には障害の治療にあたるわけですが、それだけでは、患者さんは家と医療機関の往復のみになってしまいます。そのため、患者さんに他の専門機関の情報を提供し、つないでいくことがとても重要だと考えています。こんな選択肢がありますよ、こんな機会がありますよと、紹介したり、精神保健福祉士と見学に一緒にいったりするわけです。
ところが、診察室に座っているだけでは、就労支援機関の方がどんな方なのか、何をやっているのか、よくわかりません。パンフレットは良く送られてきますが。
一方で、就労支援機関の方もどう医療機関と情報をやり取りしたらよいのか、相談したらよいのか、高いハードルを感じている方も少なくないようです。また、就労支援機関同士も交流が少なく、どんなかたをどこにつないだらよいか、手探りで行っているようです。
このような状況の改善になったらよいなということと、何かよりよいものが作れないかという目的で、当院の近くにある就労支援機関「コスモス」さんと共催で、就労支援交流会を企画しました。当院の精神保健福祉士である、木村がとても頑張ってくれました。
当院合わせて4名の医師、25名の就労支援機関からの参加者があり、「ワールドカフェ方式」という面白い方法で交流をしました。
会は大変好評でした。やはり、色々な方を知れるということが大きかったように思います。今回の目標は達成できました。集まりの感想では、事例検討などもっと具体的、実践的な内容を希望する方もちらほらといらっしゃり、今後の方向性も見えてきたように思います。
手弁当で実施したことと、忙しいなか時間を作っていただくので、頻繁にはできませんが、よりよい就労支援のため貢献できればと思います。またこの会で得られたことを、他でもできるように広げていく工夫も考えたいものです。