こころの診療所 から

宝塚市大橋クリニックの院長ブログです

バベットの晩餐会: 映画

なんと1か月ブログが開いてしまいましたね。

この話題書いた方が良いかな、やめたほうが良いかなと考えているとあっという間に時間が過ぎてしまいます。

さて、心に残る映画を見たのでご紹介します。「バベッドの晩餐会」です。小さな村での物語で、若いころに色々な制約で思いを遂げられなかった人たちが、最後にどうなっていくか。ネタバレになってしまうので多くは書きませんが、人生で大事なことは何かを考えるよい時間になりました。

その中で記憶に残る一節があったのでご紹介します。

 

慈悲や心と真心が 今やひとつになった

正義と平和が接吻をかわすのだ

心弱く 目先しか見えぬ我らは

この世で選択をせねばならぬと思い込み

それに伴う危険に震えおののく

我々は怖いのだ

けれども

そんな選択などどうでもよい

やがて目の開く時が来て

我々は理解する

神の栄光は偉大であると

我々は心穏やかに それを待ち

感謝の気持ちで受ければよい

神の栄光は等しく与えられる

そして見よ 我々が選んだことは

すべて叶えられる

拒んだものも

与えられる

捨てたものも

取り戻せる

慈悲の心と真心が

ひとつになり

正義と至福が

接吻をかわすのだ

 

ちょっとキリスト教の色が濃いですが、神というより、人生というか運命は、一見、過酷なように見えて、いずれ何かが満たされるときも来るのではないか、という希望を与えてくれる言葉に思えます。そこには、優しさや真心、思いやりが感じられる時がある、そういうことを伝えてくれる映画でした。

東洋的に言えば、人間万事塞翁が馬、ともいえるかもしれませんね。馬年だけに。

では、良い一日をお過ごしください。

 

 

本年もどうぞよろしくお願い申し上げます 2026年

新年になりましたね。1日、1日を乗り切っていたら1年が過ぎていたという2025年。年末年始のお休みもあっという間に終わり、本日から診療を開始しております。

2025年を振り返ると挑戦を継続した1年でした。

心理療法は引き続き木村心理師が頑張ってくれています。昨年はSCITプログラムという、他者の気持ちがわかりづらい方を対象にしたグループプログラムを、木村心理師にワンモアという就労支援機関で勉強してもらいました。今年はこのグループプログラムを当院でも実施したいと思っています。

また今年から、ひきこもり状態の方の家族を対象にしたCRAFTプログラムを木村心理師に外部で勉強してもらい、実施できたらと思っています。

地域との連携では、ケアマネ研修にアドバイザーとして隔月参加し始めました。精神科医としての知識や経験を提供できたらと思っています。神戸市のアウトリーチチームにも引き続き参加しています。こちらはなかなかハードです。しかし、CRAFTの達人とも接点を持たせていただき、このご縁で木村心理師もお世話になることもできました。地域ではまだまだたくさんの問題があり、解決も手探りな状態なので、これまでの研究の視点も活用しながら何か突破口を見つけていきたいものです。

就労支援の会も4回まで実施しました。ただ、就労支援機関がとても多く、一方で興味を持たれる医療機関は少なく、医療機関がどのように貢献していくかがちょっとわからなくなってきました。顔が見える関係を作るのが一番という気がしていますが、世の中には怪しげなところもあるようで、恐る恐るという感じです。会の頻度は減らしていこうと思っています。

訪問診療も継続していますが、そこまで多くの引き合いはなく、一定数を継続しています。ただ、やはり難しいケースもあり、模索です。

研究面では、強迫症アプリの研究開始から1年経過し、あともう少しで完了まで来ました。80名集めるのが目標ですが、現在64名です。なんとか今年の前半までに完了できたらと思っています。協力してくださるクリニック、病院も増えました。

この研究が完了したら、もうちょっと個人個人の体験を深めてうかがうような研究をしたいと思っています。そのために質的研究という方法があるのですが、その本を勉強しながら翻訳するのが今年の大きな目標です。

個人的な成果は労働衛生コンサルタントの試験に合格したのと、認知行動療法の認定医・指導医制度が始まって、これまでの流れで認定医・指導医になったことです。なかなか本格的に認知行動療法を実施する時間が持てないのですが、ツールを工夫して短時間でお伝えする方法も模索しています。

対外的な仕事でやや疲れがたまっている感もあるので、ペースを考えながら進んでいければと思っています。支えてくれるスタッフにも感謝しつつ、皆様のお役に立てるよう努力してまいります。

本年もどうぞよろしくお願い申し上げます。

本の紹介「ネット依存・ゲーム依存がよくわかる本」

久しぶりの本の紹介です。

「ネット依存・ゲーム依存がよくわかる本」監修 樋口 進。

 

インターネットやゲームはとても身近なものです。便利でもあり楽しくもありますが、一方でやりすぎると、生活が崩れてきます。

どこからが病気なのか、どうしたらよくなるのか?当院も含めて、専門的な治療を提供しているところが少ないのが現状です。ではどうしたらよいか?それにヒントを与えてくれるのが本書です。

監修者は樋口先生といって、依存症治療の世界では知らない人はいない有名人です。依存症治療で有名な久里浜医療センターの名誉院長です。ですので、内容は信頼できます。

ネットやゲームで生活が破綻してしまった人の例、なぜ依存してしまうか、どうなると病気と考えるのか、治療はどうしたらよいか、家族や本人ができる対処法、などが紹介されます。

字も大きくてとても分かりやすいです。

ネット依存・ゲーム依存について知りたければ、とってもお勧めの本ですよ。

色々な情報があると思いますが、樋口先生の本であれば信頼できるので、信頼できるものを選んでくださいね。

座禅で聞いた意外な話

もう随分と昔の話ですが、大学受験に失敗してから、合格するためになんでもやろうと、イメージトレーニングやらアルファー波の出る音楽やら色々試した時がありました。カセットテープに合格イメージを録音して聞いてみたり、今思うと面白いことしていたなと思います。その必死の取り組みの中に瞑想もありました。

その時から細々と、色々な瞑想方法の本を読んでは試してきました。精神科医となって、マインドフルネスという形で瞑想と再会し、医学的な効果も実証されているので、時々患者さんにも瞑想どうですか、とお勧めすることもあります。

当の自分はというと、劇的に何が変わるかというと、びっくりしたものはないですが、18歳のころから時々続けているということは、なにがしかの良さを感じているのでしょう。尊敬するビジネスマンバリバリの義兄も瞑想をしているということを知って、義兄がするならきっと良いだろうという影響もあるのだと思います。

そういえば、大学生の時にサークルのみんなで京都の妙心寺というところに1泊の座禅体験に行ったことを思い出しました。その時、偉いお坊さんが、座禅をしている時間というのはとても贅沢な時間だとおっしゃっていました。確かに、座禅・瞑想をしている時は、日常を忘れて呼吸にとどまる時間で、これがあのお坊さんのおっしゃっていたことかなと思います。

さて、そんなわけで最近はたまに座禅を組みにお寺に行くことがあります。先日そこで聞いた話が少し意外だったのでご紹介します。

紹介された言葉は「大信根(だいしんこん)、大憤志(だいふんし)、大疑団(だいぎだん)」です。禅の修行で大事な3つのことで、最初の大信根というのは、とにかく教えを信じることということですが、若い人に向けて自分の道を信じることというニュアンスで話されていました。これは宗教でよくある、信じること、ですよね。

あとの2つが意外でした。大憤志はなにくそ!と思って頑張ること、大疑団は、常に疑うこと、これで自分はいいのだろうか、と疑うことです。仏教といえば、悟りの境地で、感情に揺るがされず、疑いから離れ、一心に悟りを目指すイメージがありました。でも、なにくそと思って疑って進めということなのです。本当は次元の違う説明があるのかもしれませんが、この2つの説明を聞いたときに、そうか、お坊さんでもそういう気持ちで進んでいるんだったら、僕らみたいに、日常を悩みながら、なにくそと進むのもいいんだなと、何となく安心しました。

日常を悩み、疑いながら、つらいと思ってもなにくそと思って進む。その先に、きっと何かが見えると信じていく。普通の日常なのかもしれませんが、これが大事なのかもしれませんね。

8年目になりました

大橋先生からクリニックを引き継いで8年目に入ります。1日1日と過ぎていく毎日でしたが、昼休みに職員がちょっとこちらに立ってくださいというので、たたずむと、お祝いのお花をくれました。そうして、ああ、そうか7年が過ぎたんだと気づきました。

開業の時、立てた目標は、

1.自分の家族に受けてほしい医療、私自身が受けたい医療を目標にして診療を行う
2.必要な医療や支援が届いていない方に、訪問診療や他機関との連携を通じて、必要な治療や支援を届けることを目指す

でした。

そんな目標を意識しつつ、訪問診療は継続、就労支援機関との交流も始めました。心理療法の幅を広げたいので、少しずつ木村心理師に治療の幅を広げてもらっています。自院での実践を他でもできるようにと、強迫症アプリの研究も行っています。

でも、まだ何かが足りないように感じています。目標はシンプルな方が良いと思っていましたが、果たしてこのままでよいのか。空回りはしていないか。立ち止まりつつ、次の一年を頑張っていきたいと思います。

いずれにせよ、悩みながら進むことができているのも、大橋先生が私にクリニックを託してくださったこと、職員が健康で活躍しているおかげだと思っています。

当院を頼ってきてくださる方も多くいらっしゃるので、それにお応えできるよう精進を続けてまいります。

いただいた花は受付前に置いてあるのでぜひご覧ください。

 

受付前に置きました。ぜひご覧ください。