こころの診療所 から

宝塚市大橋クリニックの院長ブログです

研究

慢性痛の認知行動療法

細越寛樹先生という方が、慢性痛に対する認知行動療法(心理療法)の研究を行っています。お会いした時に、そのお話は伺っていました。 患者さんの中には、痛みに困っている方もおり、勉強しないとなと思っていましたが、他のことに気を取られ、延び延びの状…

過敏性腸症候群の治療研究について

私は現在、京都大学医学研究科健康増進・行動学分野というところの客員研究員をしているのですが、同じ研究室に所属している医師が、過敏性腸症候群に対する動画併用治療の研究をしています。 もともと彼女は過敏性腸症候群に対する集団治療で素晴らしい効果…

専門家向け: 新型コロナウィルス感染症まん延直後と2年後の総合病院職員のストレスについて

神戸市立医療センター中央市民病院での研究のお手伝いをしたものが最近雑誌に掲載されました。私が医師としての最初の研修を受けた病院で、当時、新型インフルエンザ感染にも出くわし、その際に同じような研究をしたので、声をかけてくださいました。 新型コ…

ジャパン・ヘルスケアビジネスコンテストに行ってきました

強迫性障害を動画で治療しようというプログラムを開発しています。一作目は3名の方にトライアルをしていただき、なかなかよい結果でした。ただ、もうちょっと、継続的に取り組めるような工夫が必要というところが課題で残りました。現在、2作目に取り掛か…

専門家向け: 人を介しない強迫症治療ソフトのシステマティックレビューレビュー

専門家向けの話題です。 私の専門の一つに、システマティックレビュー&メタアナリシスというものがあります。これは、ある疑問に対して、これまで行われた研究を総合して、どういう答えが得られるかをまとめる研究です。 例えば、〇〇病に対して△という薬が…

専門家向け: 新型コロナウィルス感染症が病院職員に与える精神的な影響

私が研修した病院は神戸市立医療センター中央市民病院という神戸市の中核となる病院です。 研修当時の2009年、新型インフルエンザウィルスが蔓延しました。国内発生の第一例を中央市民病院がみました。当時私は精神科の後期研修医でしたが、発熱外来にも出務…

つぼみが花となりました

3月にブログを更新してから早1か月。皆さんに本を紹介しようと思っていたのですが、買ったまま読み切れず。自分のリュックの中に入ったままです。 ただいま、強迫性障害の治療を動画を用いて自動的に行うことができないか、そのソフト?を作っていてそちら…

マスクやプラスチックの仕切りが患者さんの感染不安や話しやすさに与える影響

2020年からコロナ感染が蔓延して、私もマスクを着用するようになりました。飛沫防止のプラスチックの仕切りも設置しましたが、こういうことが患者さんとのコミュニケーションにどう影響しているか心配でした。 そこで昨年の4月末から8月いっぱいまで当院通院…

新型コロナウィルス感染症と通院不安の関係についての論文が出版されました

まだ寒いですが、天気は青空ですね。気持ちよい季節になりつつあります。 さて、当院で患者さんの皆様にご協力いただいた調査が論文になりました。新型コロナウィルス感染症蔓延下で、通院の不安を高めるのは何か?という調査です。 onlinelibrary.wiley.com…

認知症の40%は予防できる!

昨日、認知症についての講演会をしてきました。主催者の方もしっかり対策をしてくださり、Webでの講演会となりました。これからはこういう形式でないと聞く人も話す人も心配ですよね。 内容は、「認知症の予防や対策」についてです。今年にランセットとい…

専門家向け: うつ病についての論文が出版されました

うつ病とは何か?疾患概念に関わる思い入れのある研究が出版されました。 link.springer.com うつ病と抗うつ薬による治療には根強い考えがあります。それは、内因性うつ病、DSMでいうところのメランコリックタイプには抗うつ薬が良く効くが、そうでないもの…

”ひきこもり”についての論文を書きました(研究者向け)

しばらくブログの投稿をしていませんでした・・・なんでしょうか、気力が今一つ湧かず。気候で調子を崩す患者さんもいらっしゃいますが、私もそんなところがあるのかもしれません。 さて、以前勤めていたクリニックで行った”ひきこもり”に関する研究が論文に…

医療者向け: 10年前の研究が新聞に取り上げられました 「未知の感染症アウトブレイク下で病院勤務者のやる気を出す要因とは?」

コロナウィルス感染症のニュースが日々流れています。2009年に新型インフルエンザが流行した時も、感染症のリスクの高さがわからず、様々な方々が恐ろしい思いをしました。ずいぶん昔のことなので忘れている方も多いかもしれません。当時もマスクが店から売…

心療内科学会シンポジウムでの発表が掲載されました

昨年12月に恩師に声をかけていただき、札幌で行われた心療内科学会に参加しました。『在宅医療における心療内科的課題』というシンポジウムで4人のシンポジストの一人としての参加です。「精神科訪問診療の実際ー私の経験より」という題名で発表しました。 …

お話ししてきました: うつ病とは何か? 歴史・人生・多文化の視点から考える (専門家向け)

先日、三宮で医師向けに講演してきました。 うつ病という概念について、特にDSM-IIIからの操作的診断が出現するに至った面白いエピソードをKendlerさんの論文を引用して紹介しました。多くの人がうつ病とは〇〇だという定義を提唱してきました。精神医学の信…

多文化間精神医学会(京都)と文化結合症候群”Amok"の論文:専門家向け

2019年11月30日、12月1日に京都の龍谷大学で多文化間精神医学会が開催されます。 jstp26.jpn.org 多文化間精神医学会は色々な文化間で生じる精神医学的問題を扱っています。私自身は人類学のような面に魅かれて入会しましたが、難民問題だとか、海外の駐在員…

オキシトシンの話を聞いてきました(研究段階のお話)

昨日は阪神精神科医会学術講演会の座長をしてきました。座長といっても、お話をほんの少しまとめるだけの役ですが・・・ 浜松医科大学の山末先生が、オキシトシンと自閉症スペクトラム障害のお話をして下りましたが、非常に勉強になりました。オキシトシンに…

スマートフォンで認知行動療法を行う関連研究の論文が出版されました

数年前に、スマートフォンで認知行動療法をほぼ自動で行うアプリ開発・研究のお手伝いをしていました。 http://ebmh.med.kyoto-u.ac.jp/flatt/committee.html 認知行動療法というのはカウンセリングの方法の一つです。認知=考え方の幅を広げたり、バランス…

札幌で講演をしてきました

1月26日に札幌で講演をしてきました。システマティックレビュー&メタアナリシスという研究方法について医師の方々にご紹介するのが目的です。 世の中にはたくさんの研究があります。皆様も新聞記事やテレビでセンセーショナルなニュースを見ることがあると…

昨年の心療内科学会シンポジウムの報告

昨年(2018年)12月24日に北海道で心療内科学会があり、シンポジストとして呼ばれて発表してきました。「在宅医療における心療内科的課題」という話題で、メンバーは神経内科の先生、訪問を積極的にされてきた看護師さん、ケースワーカーの方と私でした…