こころの診療所 から

宝塚市大橋クリニックの院長ブログです

昨年の心療内科学会シンポジウムの報告

昨年(2018年)12月24日に北海道で心療内科学会があり、シンポジストとして呼ばれて発表してきました。「在宅医療における心療内科的課題」という話題で、メンバーは神経内科の先生、訪問を積極的にされてきた看護師さん、ケースワーカーの方と私でした。皆さんとても偉い方で、かなり恐縮してしまいました。

私は精神科の訪問診療についてご紹介したのですが、他の方の発表をうかがっていると、なんだか内科の先生とも、看護師さんともケースワーカーさんとも、姿勢は共通しているような感じで、困ったときの話も表現は違えども、同じことを言っているような感じがしました。精神科医として呼ばれましたが、なにか目新しいものを提供できたかというとそうでもなかったかもしれません・・・

患者さんを理解しようとしながら、自分や一緒に働く人もお互いに影響を受けながら進んでいること、解決できない問題とじっと付き合いながら一緒に耐えていくこと、そんなことが共通した姿勢だったように思います。

今回の学会では人のご縁も感じました。学生時代から私は地域で医療をしたいと思っていました。当時は内科にしようか精神科医になろうか迷っていました。大学には地域医療の教室もあり、そこの教授の先生が朝、僕らの勉強に付き合ってくれて、診察の仕方などを教えてくださいました。その先生は今は退官されて、北海道で地域医療をされているのですが、今回の学会長がその先生で、声をかけてくださいました。

学生時代に往診を見てみたいとその先生に相談したところ紹介してくれた医院がありました。今回のシンポジストはその医院の先生でした。

あれから時間がたち、私も当時思っていたような医療に携わるようになりました。

今回のシンポジウムで当時の教授や、見学先の方と接点を持ちました。なんだか感慨深いものがあった一日でした。

あとは、今回の発表を論文にまとめなければならないのが・・・ありますが・・・頑張ります。