こころの診療所 から

宝塚市大橋クリニックの院長ブログです

本の紹介:感情の「みかた」 

少しずつ当院の待合に置いてある本など紹介していこうと思います。本日は、

感情の「みかた」~つらい感情もあなたの「味方」になります

を紹介します。

 

著者は国立精神・神経センターの認知行動療法センターのセンター長をされている先生です。私自身も研究でご一緒させていただいたり、カウンセリングのスーパービジョンを受けたことがあり、尊敬している先生です。

ユーモアにあふれて、あたたかい先生で、身近で指導を受けることができる方はうらやましいなと思っています。

さて、本の内容です。どんな方にもとても参考になることでしょう。

 

誰しも感情は持っています。悲しみ、落ち込み、怒り、不安などは一見ネガティブに見えてしまいます。しかし、このネガティブな感情にも、実は大切な役割があるのだよ、こうやって付き合ったらよいよ、ということを優しい口調で説明してくれます。

 

悲しみの中にあり、誰もわかってくれないとつらい気持ちをしている方。

何かを失い、失意の中にある方。

怒りのコントロールに悩んでいる方。

などなど色々な感情の意味と対処について、ご自身のエピソードも交えながら紹介してくれます。

読んでいると、希望が見えてくるような気持ちになるのは堀越先生の人間性が文章に現れているからかもしれません。

ちょっと一節を抜粋します

”私たちはどんなに長い時間をかけても、喪失の体験そのものを忘れることはないのです。こころの傷が痛まなくなっても、思い出は一生残ります。けれども、幸いにも私たちはそのつらく悲しい思い出を違う形で覚え直すことができます。悲しかった思い出を抱えていながら、その傷は痛まないという状態でいきていくことができるのです。”

 

感情の「みかた」 ?つらい感情も、あなたの「味方」になります。

感情の「みかた」 ?つらい感情も、あなたの「味方」になります。