こころの診療所 から

宝塚市大橋クリニックの院長ブログです

睡眠時無呼吸症候群について 2019/4/11の情報

睡眠時無呼吸症候群について、信頼できる医学雑誌で記事になっていたのでダイジェストでご紹介します。

Solomon G. Obstfuctive sleep apnea in adults. New England Journal of Medicine 380; 15: 1442-1449.

https://www.nejm.org/doi/full/10.1056/NEJMcp1816152?query=BUL

 

睡眠時無呼吸症候群は、寝ている時に気道が時々閉じてしまって呼吸が少なくなったり、一時的になくなって、低酸素状態になり、場合によっては起きてしまうという状態です。

米国では30歳から49歳の女性の3%、男性の10%、50歳から70歳の女性の9%、男性の17%に生じていると推測されています。

BMI(体重÷身長÷身長)が30以上の方では40%以上、メタボリック症候群の方の60%以上が睡眠時無呼吸だったという報告もあります。

 

睡眠時無呼吸と心血管疾患のリスクには関連があります。1時間で11回を超える無呼吸があると、1時間で1.4回の無呼吸の人と比べて高血圧、脳卒中、心血管疾患が多かったということです。

 

睡眠時無呼吸の検査には、外来でできる簡易検査と1泊入院で行う詳細検査があります。

 

CPAPという睡眠時無呼吸の治療によって、健康感じや活力、疲労感や日中の眠気が治療を受けない人に比べて改善するという研究があります。しかし、心血管疾患を改善するかどうかはまだ不明確です。ある研究ではCPAPで改善は認めなかったというものもあります。

 

以下は私の感想です。

不眠の方の中には、夜中のいびきが強いとか、息が止まっているということをおっしゃったり、日中の眠気がすごいという方がいます。長く寝ているのにすっきりしないとか、疲労感がたまる、夜中にトイレで起きる、起きたら口が渇いている、朝に頭痛がするなどという方もいます。

特に体重が多い方は一度チェックもよいかもしれません。体重が少なくてもなかなか改善しないようなら睡眠時無呼吸についてクリニックで相談するのもよいでしょう。