こころの診療所 から

宝塚市大橋クリニックの院長ブログです

地域活動支援センター「ザイン」、就労継続支援B型「アズイット」の見学に行きました!

先日、地域活動支援センター「ザイン」に見学に伺いました。

ザインに見学に行こうと思ったら、隣が同系列の就労継続支援B型「アズイット」でしたので、一緒に見学しました。

 

アズイット トップ

 

地活を見学する時にいつも場所がわからなくて困ってしまいますが、よくよく聞いてみると看板を出せない決まり?のようなものがあるようなのですね。私がこれまで訪問した地活は、レモンツリーを除いて、本当に普通の家です。ここも普通の家ですが、家と家がくっついているタイプです!(わかりますか・・・?)壁が肌色です。
良元街道沿いに小林から逆瀬川を目指していく途中で、イタリアレストランがあるのですが、その手前当たりですね。

 

ちなみに、就労継続支援B型というのは、B型作業所とも言ったりしますが、きっちり働くのはまだ難しいという方に簡単な作業をしていただきながら仕事の練習をする場所です。A型というのもあるのですが、A型はさらに仕事に近いようなイメージです。

私が見学に行ったときは、髪をとくブラシの、そのとくところ??がそろっているかという検品をしていたり、神社の縁起物のようなもので福の神?を付ける作業をされていました。それぞれ別のフロアで一人ずつ作業をされていました。ブラシの検品は職員のかたが再度チェックしてみられていました。駐車場の清掃や市役所で野菜販売などもされているようです。

 

ちょっと話がずれました。

私がすごいなと思った、「ザイン」「アズイット」の特徴は2つあります。

一つは職員と利用者が上下関係を作らず協働の精神で運営するという理念です。言葉だけかなと思いきや、職員の方が制服とか名札を付けていないので、誰が職員で誰が利用者か最後までわかりませんでした・・・理念を形にしている点、見習わなければと思いました。

もう一つは、地域活動支援センターとB型作業所が隣り合っているところです。二つの家がくっついているというイメージですね。B型は少し仕事を意識する場所ですが、地活も利用しながらB型という利用者もいます。そうすると、地活だけ利用している人も、「あの人がB型やっているなら私も」という感じで、刺激を受けるようです。

仕事なんて想像がつかないと思っている患者さんも多くいらっしゃいますが、これまでの私の経験では、そういう方がゆっくりステップを踏めば、意外に仕事をされて、ご自身の役割を見つけられることも多いです。そうするとずいぶん気持ちも変わられる方もいます。
ただ、身近にそういうステップを踏まれて仕事をされている方がいるのといないのでは、ずいぶんイメージのしやすさも違うと思います。

その点この「ザイン」「アズイット」はとてもよいと思いました。

居場所型の地活とB型、A型の間の交流の機会がもっとあると利用されている方も新しい可能性や刺激を受けることもあるように思います。

 

建物は2階建て+屋根裏です。パソコンの部屋があったり、作業の部屋があったりです。ザインもアズイットも作りは同じです。屋根裏ははしごでのぼります。片方はゆっくりできるスペースがあって、もう片方の家のほうはダンベルがあったりして運動できるそうです。夏は暑そうですが、静かで落ち着きました。

ある部屋では何人かでUNOしていたり、ある部屋では、駐車場の清掃の報告をしていたり、内職していたりです。ただ、誰が職員なのか利用者なのか、やっぱり見分けがつきません。

もともとは発達障害の方の居場所としてスタートしたということですが、現在は発達障害にこだわらず支援をされています。

精神科医の方も勉強会の講師として呼ばれたりされているようなので、私もぜひご協力できたらとお伝えして帰りました。

 

いくつか地活を見てきましたが、一口に地活といっても全然様子が違うので、それぞれの持ち味を患者さんに紹介できるようになったら良いなと思います。そういう情報が障害福祉課などで提供されると患者さんも助かるかもしれません。

しかし!まずは当院がすすんでこのような情報を患者さんに届ける工夫をしていこうと計画しようと思います(このブログも一つです)。また、我々医療機関も地域の就労支援機関の方々と積極的に交流して、お互いの希望や困った点を交流しつつ、新しい解決方法や支援方法を編み出していけたらいいですね。

より多くの患者さんの可能性に貢献したいです。