当院の本棚の本の紹介です。今回は
「人見知りが治るノート」反田 克彦 著を紹介します。
人の注目を浴びる場面で、人から否定的な評価を受けることを極端に心配してしまって、日常生活に支障をきたしてしまう方がいます。
人から否定的な評価を受けるのではという不安が強いことは、逆に言うと評価されたいという願望の裏返してもあります。そういう不安を感じるからこそ、工夫をしたり努力をする力の元にもなるので、一概に不安が悪いというわけではありませんが、あまりに不安が強すぎて日常生活に支障をきたしてしまうのはご本人も辛いでしょう。
薬物の治療もあるのですが、やはり実際の場面でどうやって対処していけばよいかというヒントも欲しいというのが患者さんの希望でしょう。そんな時に、この本など良いかもしれません。
今年に入ってあるカウンセラーさんに紹介してもらった本で、読んでみるととてもよくまとまっています。著者の独断のようなところもごくごくわずかにありますが、本書の良さに比べるとそんなところは無視できる程度です。
どんな仕組みで不安に感じるのかが詳しく紹介されて、それから具体的な対策が示されます。注意コントロール、リラクゼーション、考え方のバランスをとる方法、行動の練習がコンパクトに紹介されています。
文字も大き目で読みやすいです。具体例も色々あり、参考になることがあるのではないでしょうか。認知行動療法ベースの本です。
人とのかかわりで不安を感じすぎてしまう方には、森田療法関係の本も面白いかもしれません。これとは別に、ちょっと以前にビジネス書の中に人前での発表の本でよさそうな本があったのですが、タイトルチェックせずに流してしまいました!また見つけてみようと思います。