こころの診療所 から

宝塚市大橋クリニックの院長ブログです

スマートフォンで認知行動療法を行う関連研究の論文が出版されました

数年前に、スマートフォン認知行動療法をほぼ自動で行うアプリ開発・研究のお手伝いをしていました。

http://ebmh.med.kyoto-u.ac.jp/flatt/committee.html

認知行動療法というのはカウンセリングの方法の一つです。認知=考え方の幅を広げたり、バランスをとる方法、行動=心地よい活動を増やしたり、現実的な問題解決を計画するという方法、という大きな二つの方法で気持ちの改善を図っていきます。

ぱっと聞くと常識的で、カウンセリングといえるほどのもの?と思われる方もいるかもしれません。しかし、案外、ご自身の考え方にどんな癖があって、それがいつごろから作られたものかなど考えていくなどは、機会をもって見つめないとなかなか気づけないことが多いものです。行動も普段避けていることも、段階にわけて実行してみると意外な発見があることもあります。

 

ちなみに、スマートフォンアプリの研究の結果は大変良いものでした。

http://ebmh.med.kyoto-u.ac.jp/flatt/index.html

 認知行動療法を日常的に実施できる医療機関は少ないので、こういったアプリを使って診療の補助とする方向性は重要だと思います。今後、保険適用されたら多くの方のお役に立ちそうです。

 

この研究のデータを使って小さな研究をしていましたが、その私の研究が論文として出版されました。

https://onlinelibrary.wiley.com/doi/abs/10.1111/pcn.12849?af=R

 

医者として知識や技術を患者さんや社会に届けることも重要な役割と考えていますが、新しい発見や知識を世の中に示していくことも体力と精神力が続く限り継続していこうと思っています。