こころの診療所 から

宝塚市大橋クリニックの院長ブログです

精神保健福祉士とは?

10月から当院に精神保健福祉士がやってきます。以前の職場で一緒に働いていた頼りがいのある専門家です。

精神保健福祉士という専門家は、あまり聞きなれないかもしれません。ただ、私は精神科・心療内科にとっては、なくてはならない存在と思っています。

「患者さんの生活をサポートする」というのが、精神保健福祉士の仕事の中心です。

医者が診察室で話を聞いて、投薬することも大切な治療ですが、それだけで状態が良くならない方もいます。生活の中に問題があって、なかなか一人では解決できない場合があるからです。そんな時に、いろいろな制度を紹介して、実際に手続きのサポートをしてくれたり、支援機関とつないだり、何か解決がないか一緒に探したりするのが精神保健福祉士です。

www.japsw.or.jp

極端な話をすれば、障害が消えなくても生活を順調に送る、ということも一つの中間目標にはなると思っています。そういう意味では、生活のサポートは治療と同じように(それ以上に?)重要と考えています。

当院ではそれを目指して、往診(訪問診療)をしたり、地域資源とのつながりを深くして患者さんの生活に近い場所でお役に立つ工夫をこれからもしていきたいと思っています。

今回来てくれる精神保健福祉士は前勤務地でも積極的にクリニックの外で患者さんとかかわってくれていた人です。一緒にかかわった患者さんの中には、ひきこもっていたけれど、投薬や一緒に散歩を継続して外出への不安を和らげながら就労につなぐことができた人などもいます。

彼はその後公認心理師の資格もとって心理面でも実践・勉強をしています。少し先になりますが、私も楽しみにしています。