こころの診療所 から

宝塚市大橋クリニックの院長ブログです

本の紹介: CRAFT 依存症家族のための対応ハンドブック

本日は本の紹介です。「CRAFT 依存症家族のための対応ハンドブック」

私がCRAFT(=クラフト)のことを知ったのは、ひきこもりの方に対する家族の対応に悩んでいた時のことでした。でも調べると、そもそもは依存症家族のために作られたプログラムということ、読んでみなければということで購入しました。

 

要するに、なかなか治療につながらない依存症の患者さんに家族がどうコミュニケーションをしたらよいのか、というハンドブックです。脅したり、愚痴をいったり、お願いしたりする代わりに、もっとお互いに気持ちの良い、効果的なコミュニケーションをするにはどうしたらよいかということが書かれています。

家族だけではなく医療関係者や支援者にも大変参考になると思います。

ただ、180ページぐらいあって、びっちり文字なので読むのがなかなか大変かもしれません。繰り返し繰り返し読んで、実際にやってみて身についていくもののように思います。こういうプログラムをサポートしてくれる心理士さんなどいるといいでしょうね。一人ではなかなか続かないかもしれません。

勉強になる本です。

抜粋です

小言、懇願、脅しに代わるプログラムとは、二つの目標と、核をなす一連の手続きからなる、ちょっとした行動の変化を起こすものです。ここで言う目標とは、(1)あなたの生活の質を改善する、(2)あなたの大切な人に、飲酒を続けるよりも断酒する方が魅力的であると理解してもらうことになります。

 

要するに、あなたの大切な人にアルコール乱用をやめさせるだけでなく、相手が断酒するかどうかにかかわらず、あなた自身の生活に健全さを取り戻すことが重要なのです。そう、あなたの大切な人が飲んでいる/飲んでいない、機嫌がよい/悪い、家にいる/いない・・・こういったことに振り回されることはやめにしましょう。 

 

CRAFT 依存症者家族のための対応ハンドブック

CRAFT 依存症者家族のための対応ハンドブック

  • 作者: ロバート・メイヤーズ,ブレンダ・ウォルフ,松本俊彦,吉田精次,渋谷繭子
  • 出版社/メーカー: 金剛出版
  • 発売日: 2013/08/01
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)
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