こころの診療所 から

宝塚市大橋クリニックの院長ブログです

本の紹介: 「ひきこもり」救出マニュアル 実践編

著者の斎藤環さんは「ひきこもり」を注目させた最初の人と言ってよいでしょう。実臨床で多くのひきこもりの方の対応に当たってこられたのだと思います。家族が疑問に持ちそうな事柄について丁寧に答えるという形式の本です。

 

非常に参考になりますが、一方でこの方法が絶対的というわけでもないので、やってみたのに結果が違っても気落ちすることなく、色々な方法を試していかなければならないかもしれません。

 

注意すべきはパソコンやインターネットの項目だと思います。当時はパソコンの使用について非常に肯定的に書かれていますが、最近はインターネット依存の問題もあります。実際にひきこもりの方の中にはインターネット依存の方もいらっしゃって、単にずっとパソコンに向き合っているだけではなく、ゲームの結果に非常に感情が左右されて時に物や人に当たるというケースも経験しました。

 

しかし、それを差し引いてもとても参考になる本だと思います。現在では本書以外にもいろいろなひきこもり関連の本が出版されているので、またこのブログでも紹介していきたいと思います。

 

「ひきこもり」救出マニュアル〈実践編〉 (ちくま文庫)

「ひきこもり」救出マニュアル〈実践編〉 (ちくま文庫)