こころの診療所 から

宝塚市大橋クリニックの院長ブログです

本の紹介: うつ病九段

クリニックの本棚にある本の紹介です。「うつ病九段」先崎学

プロ棋士うつ病になり、そこから回復していくご本人の体験談です。かなり思いうつ病になり、入院、退院、徐々に元気になっていく様子が描かれていますが、非常に読みやすいです。うつ病の経過も典型的で参考になります。

慶応大学に入院されたということですが、病棟の様子もわかって、慶応大学って過ごしやすそうな病棟だな・・・と想像してしまいました。お兄さんが精神科医ということで、それもご本人の支えになったのでしょう。

著者の心情が赤裸々に語られているのもリアリティが増して、また親近感がわきました。

読みやすいとはいえ、今うつ病でしんどい方にとってはなかなかの長さだと思います。ご家族が読んで、うつ病というのはこういう様子なんだとわかっていただくのが良いように思います。そういう意味ではとてもお勧めです。

漫画も出ているようなので、そちらも購入して本棚に置こうと思っています。