こころの診療所 から

宝塚市大橋クリニックの院長ブログです

診察室の椅子のカバーを変えました 自然イメージと私の思い出

診察室の椅子カバーが擦り切れてきたので、黄緑色のカバーに変えました。

もともとは落ち着いた抹茶色だったのですが、明るい雰囲気になった方がよいかなと思いまして。私が寸法を測って、それをもとに郵送で手作りで作ってもらいましたが、私の設計図が間違っていて、かれこれ5回ぐらいやり取りをしてようやく完成です。作っていただいた方には感謝です。

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さて、明るい色とはいえ、なぜ緑を採用したかというと、診察室を自然のイメージにしたかったからです。実はホームページのロゴも、木にしています。私はそんなにアウトドア派でもないのですが、自然、特に木や植物が好きなんです。診察室には青い空気清浄機も置いています。木があって、空がある、そんなふうなイメージで選びました。

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診察室の植物です。職員が買ってきてくれました。

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診察室の植物、ベンジャミンです。本当は丸く育ってほしいのですが、寝起きの髪のようになってしまっています。剪定の仕方がわかりません。それから、青の空気清浄機です。一応空のイメージということで・・・

・・・とこんな工夫はしていますが、診察室はパソコンとか、私の書類とかであんまり自然とは言えませんね・・・木漏れ日のある森の中で診察したらどうなるんでしょう。落ち着くかな。

私は小さいころから何となく自然が好きだったように思います。大きな木は人間よりずっと長い時間生きてきて、色々なものを養い支えてきた、反面、それだけで存在感のある老賢者のような、そんな姿に魅かれていたのかもしれません。平和な感じでもありますしね。

ところが、そんな小さいころからの自然観をひっくり返すような経験をしたことがあります。大学卒業が近づいて進路に迷っていた時のことです。自然のありようを見て自分の進路を考えようと屋久島に行きました。

もしかすると自然のありようを見て自分の進路を考えようというよりは、自然ならきっと争いもなく悠然と生きるように示してくれるはずと、そんな答えを求めていたのかもしれません。

屋久島はとても良いところで、色々な思い出を作ってくれました。それはそれとして、屋久島で初めて、ガジュマルという木があるのを知りました。ガジュマルは、他の木に寄生?して、その木を枯らしてしまうのです。締め殺しの木とも言われています。

それを見てびっくりしました。植物は平和主義だと思っていたのに、他の植物を殺してしまうようなものもあるのだと。

ただただ平穏なだけが自然なのではなくて、生き残りをかけた戦いもあったのです。

結局私は過酷な世界に進むことを選びませんでしたが、自然のあの姿を見て、人間というのもまた、本質はただただ善なるものでもなく、清濁混沌としたものなんだろうと思うようになりました。そこに苦しさや辛さもありますが、一方でそれだからこそ、幸せや喜びもどこかにあるのだと思います。

人生とはなんなのでしょうね。そんなこともよく考えますが、目の前のことも頑張ります!休みやすみ行きましょう。