こころの診療所 から

宝塚市大橋クリニックの院長ブログです

本の紹介: マンガでわかる認知行動療法

蒸し暑い日が続きますね。皆様お体お大事になさってください。

さて、本の紹介「マンガでわかる認知行動療法」大野裕著です。

世の中にはたくさんのカウンセリングの方法があります。皆様はカウンセリングというとどのようなものを思い浮かべるでしょうか?

認知行動療法は世界で最も科学的な研究が進んでいるカウンセリングの方法の一つです。最も研究が進んでいるというと、一番良いように聞こえるかもしれませんが、厳密にいうと一番良いかどうかは科学的に証明されているわけではありません。というのも他のカウンセリングの方法は、科学的に検証しずらいので、比較が難しいことが多いからです。

その点、認知行動療法は、”こういうやり方でやります”という方法が明確にあって、その方法ができているかどうか評価する物差しもあるので、質が担保しやすいのです。他のカウンセリングは、そのカウンセリングがしっかりできているか評価する物差しがあまりないので、本当にうまくできているか検証しづらい。だから、科学的な検証が難しいのです。

さて、その認知行動療法、どんな風なものなのかをわかりやすく解説したのが本書です。 

 どうやら、自分で行うためではなくて、誰かを手助けするという目的で書かれた本のようですが、認知行動療法を知りたいと思う人には誰でも役に立つ本です。

マンガでわかる、と書いてありますが、実際には文章も結構あります。ただ、マンガあるので親しみやすい。かつ、文章もとてもまとまっているし、ポイントを押さえて必要なところをがっちりと説明してくれるので、治療する人にも自分で活用する人にもとても役に立つと思います。

それもそのはず、著者の大野先生は認知行動療法の世界で最も有名といってよい方で、本場で研鑽を積まれて、現在も普及に力を入れている方だからです。

ただ、自分でやってみようという方が、この本だけでできるかというとちょっと難しいように思うので、適切なカウンセラーやセルフヘルプ本が必要でしょう。

認知行動療法、どんなものかなと思った方にはお勧め!それから、支援者向けのメッセージも、なるほどなるほどというものがたくさん載っています。ぜひ、一読を。