現在、強迫症アプリの開発をしています。
強迫症、ご存じですか?鍵やガス栓などなど何度も確認したり、汚れが気になって、何度も手洗いをして時間がとられてしまう、などなど、そんなにする必要はないのにしてしまって、生活がつらくなるという病気です。頭の中でするわけがないのに不道徳なことを考えて繰り返し打ち消して行動できなくなるという方もいらっしゃいます。
強迫症には薬と暴露反応妨害法というものを含んだカウンセリングが有効で、両方したほうがよりよいといわれています。しかし、このカウンセリングは技術が必要で、できる治療者が限られているし、費用も掛かります。
そこで、どんなクリニックでもこのアプリを使えば心理療法の代わりになるというようなアプリができたらと思って、開発をしているところなんです。その、試作1号、2号の結果を論文にしました。
http://dx.doi.org/10.1002/pcn5.70009
試作2号の結果が良かったので、少し改善を加えて、いよいよしっかりした比較試験を実施しようと計画しています。
比較試験というのは、使った人と、使わなかった人を比較して効果を見る研究です。よく健康食品などはそんなことをせずに、使った前後で良くなったかどうかを見ているものが多いと思いますが、それでは実際には効果を検証したことにはなりません。使わなかった人より良かったということを言わなければいけないのです。というのも、使わない人だって、その期間で良くなるかもしれませんよね。
強迫症の1年間の有病率は1%程度といわれています。比較試験には、まとまった数の患者さんの参加が必要なので、とても一つの医療機関ではできません。そこで、現在いくつかの医療機関の方々に声をかけているところです。
きっと患者さんのお役に立つと思って、進めております。