さて、9月になりました。まだまだ暑いかなと思っていましたが、やはり季節は巡るもの、ちょっとずつ気温が下がってきたように感じます。
各地で大雨の災害も多いですね。
1日1日過ごしていけば、きっと変化が訪れるはずです。時々空を見たり、月を見たり、そんな時間も持ちつつ、休憩しながらお過ごしください。

久しぶりに本の紹介です。
「統合失調症がやってきた」松本ハウス著です。
統合失調症がやってきた (幻冬舎こころの文庫) | 松本ハウス |本 | 通販 | Amazon
松本ハウスってご存じですか?私の世代だとボキャブラ天国というお笑い番組があったのですが、そこにも出ていたコンビのお笑い芸人です。ハウス加賀谷さんと松本キックさんでコンビを組んでいるのですが、ハウス加賀谷さんは統合失調症を持つ芸人です。
当時は大変人気があったのですが、病状の悪化で10年活動を休止されていました。その加賀谷さんが、自身の発症から復帰までの様子を書いたのがこの本です。
発症の様子、入院生活、治療についてとても生々しく描写されていて、前半は辛さが伝わってきて、統合失調症の患者さんの辛さを代弁してくれているように思いました。後半はそこから一歩一歩復活していく様子が描かれれます。応援したくなるような温かい雰囲気でした。
この温かい雰囲気を本書が出しているのは、加賀谷さんの人柄もあるでしょうが、松本さんの文章も関係していると思います。本書は松本ハウス著となっているように、加賀谷さんだけが書いている本ではなくて、相方・パートナーからの視線で松本さんも文章を書いています。加賀谷さんのことを思いやりながら、程よい距離感を保ちながら関係を保ちつつ、待ち続けた様子をひしひしと感じることができます。
家族視線の本と言うのもちらほらありますが、友人というか、そういう視点の文章と言うのはあまり見たことがありませんでした。松本さんの人柄かもしれませんが、そういう点も本書の温かさになっていると思います。
この本のシリーズにはもう一冊「相方は、統合失調症」という本があるようなのでそちらも購入して読もうと思いました。
患者さん、身近に統合失調症を持つ方がいる方にはお勧めの一冊です。
梅雨が明けて暑くなりましたね!
空は晴れ晴れ。青空をみて気持ちも晴れやかになったらなと祈っております。そんなわけで当院の飾りも変えました。

今回は久しぶりに本の紹介です。「統合失調症の人の気持ちがわかる本」伊藤順一郎監修。
病気かどうかに関わらず、自分と違う行動をする人を見るとなんでそんなことするんだろう、と思うことは良くありますよね。その瞬間を切り取ると、理由がわからないことでも、その背景を詳しく見ていくと、なるほど、そういうことがあるから、こういう風なことを言ったり、行ったりするんだ、と理解ができることも増えてくるものです。
本書は統合失調症の方がどんなことを体験しているのか、どんなことに苦しんでいるのかを紹介し、周りの人がどう一緒に過ごせばよいのかのアドバイスをしてくれる本です。とても薄い本ですし、文字も小さすぎず、読みやすい本です。
患者さんのご家族にはぜひともお勧めしたいです。
この本の伊藤順一郎先生には、国立精神神経センターに見学に行ったときに一度、ちらっとお目にかかったことがあります。こちらの背筋が伸びるような凛とされた先生でした。本当に患者さんのために、地域のために働かれている素晴らしい先生だと思います。そんなわけで、書籍も患者さんに寄り添う本を出されるのでしょうね。
よろしければご参考に。
ただいまとある本を読んでいて、その中にニーチェの健康と病気に関しての言葉がありました。印象に残ったのでご紹介します。
病的な状態全てが持っている価値は、それらが、どんな正常な条件でも正常な状態では見ることの難しいいくつかの条件を、拡大鏡のもとに見せる点にある
(「権力への意思」)
なんだかわかりづらい文章ですが、病気になることの良い点は、病気ではなかった時に見ることができなかったものが見えるようになることだ、ということだと私は解釈しました。
病気の良い点などと気安く書くことは、そのつらさを思うと、悪い表現でしょう。しかし、病気になって初めて、人のつらさに近づくことができたり、それゆえに思いやりを持つことができるようになったり、人生の価値を改めて見つめなおしたり、人のやさしさに触れることができるという場合もあるかもしれません。
逆に、人や世界の冷たさを味わうこともあるかもしれません。
そのうえで、自分は何を大事にしていくか、立ち止まらざるを得ない状況で、自分を見つめざるを得ない状況で、何かを見つけられることを祈るばかりです。私は何かがきっと見つかると思っています。