こころの診療所 から

宝塚市大橋クリニックの院長ブログです

本の紹介: 統合失調症の人の気持ちがわかる本

今回は久しぶりに本の紹介です。「統合失調症の人の気持ちがわかる本」伊藤順一郎監修。

 

 

病気かどうかに関わらず、自分と違う行動をする人を見るとなんでそんなことするんだろう、と思うことは良くありますよね。その瞬間を切り取ると、理由がわからないことでも、その背景を詳しく見ていくと、なるほど、そういうことがあるから、こういう風なことを言ったり、行ったりするんだ、と理解ができることも増えてくるものです。

本書は統合失調症の方がどんなことを体験しているのか、どんなことに苦しんでいるのかを紹介し、周りの人がどう一緒に過ごせばよいのかのアドバイスをしてくれる本です。とても薄い本ですし、文字も小さすぎず、読みやすい本です。

患者さんのご家族にはぜひともお勧めしたいです。

この本の伊藤順一郎先生には、国立精神神経センターに見学に行ったときに一度、ちらっとお目にかかったことがあります。こちらの背筋が伸びるような凛とされた先生でした。本当に患者さんのために、地域のために働かれている素晴らしい先生だと思います。そんなわけで、書籍も患者さんに寄り添う本を出されるのでしょうね。

よろしければご参考に。

 

ニーチェの言葉

ただいまとある本を読んでいて、その中にニーチェの健康と病気に関しての言葉がありました。印象に残ったのでご紹介します。

病的な状態全てが持っている価値は、それらが、どんな正常な条件でも正常な状態では見ることの難しいいくつかの条件を、拡大鏡のもとに見せる点にある

(「権力への意思」)

なんだかわかりづらい文章ですが、病気になることの良い点は、病気ではなかった時に見ることができなかったものが見えるようになることだ、ということだと私は解釈しました。

病気の良い点などと気安く書くことは、そのつらさを思うと、悪い表現でしょう。しかし、病気になって初めて、人のつらさに近づくことができたり、それゆえに思いやりを持つことができるようになったり、人生の価値を改めて見つめなおしたり、人のやさしさに触れることができるという場合もあるかもしれません。

逆に、人や世界の冷たさを味わうこともあるかもしれません。

そのうえで、自分は何を大事にしていくか、立ち止まらざるを得ない状況で、自分を見つめざるを得ない状況で、何かを見つけられることを祈るばかりです。私は何かがきっと見つかると思っています。

 

 

 

6月用の飾りです

だんだん雨も多くなってきましたね。梅雨入り近しでしょうか。

さて、当院は6月の飾りにしました。かたつむりがかわいいです。あじさいも咲いています。

雨や曇りはどちらかというと、暗い感じになるかもしれません。でも、雨があるから虹も出る。雨があるから、花も咲き、植物も育っていきます。

晴ればかりでは、枯れてしまいます。

雨を受けながらしばし休んで、花や葉を育てていきたいものです。そこには虹もかかるでしょう。

 

5月の飾りです

気温も上がってきて、今が夏前のちょうどよい季節でしょうか。

当院の飾りも5月用に新しくしました。

こいのぼりについて気の利いたことがないかなと考えていたら2つ思いつきました!

1つ、鯉のぼりは正面から風を受けてきれいにたなびくこと。そうして風は体を通り抜けて、過ぎ去っていくこと。

飛行機もそうですが、風を受けてこそ上昇していく、風をうけてたなびく。人生も正面から風を受けるようなつらい時こそ上り坂なのかもしれません。目の前のことに集中して、過ぎたことは受け流していく、そんな風にできたらいいですが、なかなか難しいですね。風もしんどい風もありますが、心地よい風もあるので、心地よい風も味わいましょう。

 

2つめ。吹き流しのことを考えていました。水の流れを表しているのかなと思うのですが、いろんな色がありますよね。ネットで調べてみると中国の五行説に従って、五色が使われているとか。五行説というのは、5つの要素で世界を分類したり、5つの要素が世界を作っていると考える考え方です。

そういえば、大学院時代に調査でチベットに行ったのですが、色々なところに五色の旗がはためいているんですね。五行説のようですが、チベットの五行は、水、火、地、風、空、らしいです。中国は、木、火、土、金、水ですが。昔の方はその土地土地の身近なものから世界を考えていたんでしょうね。

私が行ったチベットは標高3000-5000mぐらいのところで、とても空がきれいでした。高山病にもなりましたが。

というわけで、チベットの五行の旗と空をお届けします。(よくよく旗を見ると文字が書いてありますが、これはおそらくお経です。)

良い一日を。