こころの診療所 から

宝塚市大橋クリニックの院長ブログです

本の紹介: 「強迫症を治す」

今回は「強迫症を治す」という本の紹介です。

 

強迫症”をご存知でしょうか?
強迫症とは、確認、汚れ、不吉な考え、物の整列や数字に関することが気になって、何度も確認したり、きれいにしたり、考えを打ち消したり、やり直したりしてしまって、生活に支障をきたす病気です。
 鍵や電気など確認したり、汚いものをきれいにしたりすることは誰でもします。でも、強迫症の場合はその回数や程度が行き過ぎてしまうのです。例えば何時間も入浴したり、確認したりして、外出できなくなると、行きすぎですよね。

本書はなぜ強迫症になってしまうのか、どうやって治療したらよいかを説明した本です。ただ、本書の最大の特徴は、著者の一人が精神科医強迫症になった方で、その体験を患者と医師の視点から説明してくれているところです。どのようにして症状が現れて、ひどくなっていったか、リアルに記載されています。さらに安心なことに、もう一人の著者は日本の強迫症の第一人者という点です。ちなみに、この先生は当院からもそう遠くない兵庫医科大学の精神科の教授の先生です。
 強迫症の本としてはこれ以上ないぐらいの本に思います。強迫症が気になる方はぜひ本書を手に取っていただきたいです。

本書でも紹介されていますが、強迫症の治療はカウンセリングと薬物があります。薬物治療はどのようなクリニックでも行いますが、強迫症のカウンセリングまでしっかりできる医療機関はそう多くはありません。宣伝ですが、当院では強迫症の薬物治療はもちろん、カウンセリングも実施できます。当院では1回50分程度、毎週1回、16回のプログラムでの強迫症に対する認知行動療法というカウンセリングを提供しています。ご興味あれば、ぜひご来院いただければと思います。

さらに、当院では動画で自動的に治療ができないか、京都大学と研究を計画しているところです。現在、倫理審査を受けているところなので、もう少ししたら実施に入ることができるのではないかと思っています。(2022/5/3時点の情報です)

少し話題がそれましたが、本書、お勧めです!