私が研修した病院は神戸市立医療センター中央市民病院という神戸市の中核となる病院です。
研修当時の2009年、新型インフルエンザウィルスが蔓延しました。国内発生の第一例を中央市民病院がみました。当時私は精神科の後期研修医でしたが、発熱外来にも出務して初期は緊迫感がありました。
この経験は記録に残しておいた方が良いと考えて、新型インフルエンザウィルス蔓延が病院職員に与える精神的影響を研究して発表しました。
思いがけないことに10年ほどたち、新型コロナウィルス感染症が蔓延し、当時の私の研究も人の目につくようになり、各国から研究方法などについて問い合わせを受けました。
bmcpublichealth.biomedcentral.com
現在は地域のクリニックで働いていますが、古巣の中央市民病院から今回の新型コロナウィルス感染症についての研究を一緒にやらないかとお誘いをうけて、お手伝いをしました。その論文が出版されました。
"Psychological impact of the COVID-19 pandemic on hospital workers in Kobe: A cross-sectional survey"
Haruko Fukushima MD,Hissei Imai MD, PhD,Chisato Miyakoshi MD, PhD,Hiroyuki Miyai MD,Kyohei Otani MD, PhD,Shinsuke Aoyama MD, PhD,Kunitaka Matsuishi MD, PhD
https://onlinelibrary.wiley.com/doi/full/10.1002/pcn5.8
今回も医療関係者のモチベーションややる気を阻害する因子について調べようと思っていますが、あれからもう10年以上経って、解析の方法ももっと適切な方法があるかなと思い始めるとなかなか筆が進まなくなっています。
でも、今回過去の研究が注目を浴びたように、将来役に立つこともあるかもしれないので、しっかりまとめようと思っています。