本の紹介です。「そろそろお酒やめようかなと思ったときに読む本」垣渕洋一著。
この本は患者さんから紹介された本です。お酒をやめて、とても調子が良くなりましたとおっしゃっていたので、どうやってやめたのですか？と聞くと本書を教えてくださいました。
当院の初診問診票には、お酒をのみますか？という質問が入っています。なぜか。
それはお酒は精神の不調に非常に関わっているからです。不安定な気分、不眠、倦怠感、集中力の低下、記憶力の低下、精神科を受診される方の困りごとにお酒は密接な関係があります。
寝れない、落ち込むなどで困ってこられる方の中で、お酒を習慣的に飲んでいる方には、一度断酒していただかないと、それがお酒のせいなのか、それ以外のせいなのかがわからないことも多いです。あるいは、例えば会社のストレスで気持ちが落ち込んだり、寝れなくなったりしている、という方でも、お酒をやめることで症状が改善して、「これならなんとか仕事もできそうです」、という状態まで改善することも多々あります。
それほど、お酒は悪影響があります。長年、しんどいとおっしゃっていた方でも、だまされたと思って１か月断酒してくださいとお願いしてみます。それで聞いてくださった方の中には、確かに体が楽だし、夜中に起きなくなったと実感してくださるかたも多いです。
総合病院で勤務していた時は、アルコール依存の末期で体を壊して入院されている方もしばしば拝見してきました。体もそうですが、人間関係も、ご本人の状態も本当に悲惨なものです。そうならないためにも、アルコールの問題がある方には、これまで見てきた悲惨な方々の様子をお伝えしています。
しかし、私が５分や１０分話したところで情報量は知れています。「SMARPP-24」という非常に良いワークブックもあるのですが、ちょっといきなりは敷居が高い感じがあります。患者さんから紹介された本書は、その点、非常に情報量が豊富なわりに、読みやすいです。内容もとても良いと思います。
そろそろお酒やめようかなと思っていなくても、精神面の不調を感じていて、かつお酒を習慣的に飲んでいる方は読んでみていただくととても良いと思います。ぜひぜひおすすめです！
あと、ずっと以前に書いた以下のブログもご参照あれ！
ちなみに、今チェックしたら「SMARPP-24」は紹介したことがないですね。これもいずれご紹介計画します。
