こころの診療所 から

宝塚市大橋クリニックの院長ブログです

本の紹介: ひきこもり脱出支援マニュアル

ひきこもり脱出支援マニュアル 田村毅著を紹介します。

以前、斎藤環先生のひきこもりの本をご紹介しましたが、本書もよく似た構成の本です。ご家族からの質問に著者が答えるような形です。ただ、本書の場合は家族関係、家族の姿、主に親子がどう取り組んでいくかが暖かい雰囲気で語られます。なぜかわかりませんが、斎藤環先生の本よりも心の深いところに伝わってくるような感じがありました。

実際にカウンセリングの内容を紹介して、このような場面ではこのように話をされるのかなという著者の姿勢が伝わってくるようです。あとがきには、著者のこれまでの家族関係が紹介されていて、著者との距離感が短くなるような気がしました。

読むようにスムーズにはいかないかもしれませんが、自身の姿勢を振り返って、少しずつ対応を考えていくこととで変化が起こるかもと期待感を持たせてくれる本です。

私自身、家族療法という治療をしっかりと勉強したことはありませんが、本書を数年前に読んで、機会があれば勉強したいと思っています。ひきこもりの子供を持つ方ではなくても、一度ご自身の親子関係を見直す意味でもお勧めの本です。

 

ひきこもり脱出支援マニュアル  家族で取り組める実例と解説

ひきこもり脱出支援マニュアル 家族で取り組める実例と解説