こころの診療所 から

宝塚市大橋クリニックの院長ブログです

本の紹介:自分を傷つけずにはいられない 自傷から回復するためのヒント

今日はクリニックにある本の紹介です。以前講演会に行った、松本俊彦先生の本です。松本先生にクリニックに患者さん向けに置く本でおすすめを聞いたところ、この本を紹介してくださいましたので購入してみました。

「自分を傷つけずにはいられない 自傷から回復するためのヒント」(松本俊彦著)

 

この本にはなぜ自傷をせずにはいられなくなるのかという理由や対処法が紹介されています。物理的に自分に傷をつける自傷だけではなくて、依存や過食、また自分を傷つける関係性も紹介されているので、内容は幅広いです。

対処方法もいろいろと紹介されています。短期的には自傷行為の代わりにすることや、気持ちを落ち着ける方法などです。長期的にはどんなふうに現在の生活を見直したらよいかということも書かれています。参考になることも多いのではないでしょうか。

周囲の方へのアドバイスも書かれています。もし身近にそういう方がいるのならば、読んでみるとそういうことなのかな・・・と少し見方が変わるかもしれません。

本書の最後に、いろいろな人やアイディア、支援機関のいいとこどりが勧められています。一つのものに頼り切ってしまうとどうしても、その一つのものに影響されやすくなります。人間もいろいろな面があり、良い人でもどこかしら悪いところはあるものです。そういうバランス感覚を大事にしているというのも本書の特徴でしょうか。

270ページぐらいある、しっかりした本です。何か良いヒントが得られるとよいなと思います。

 

自分を傷つけずにはいられない 自傷から回復するためのヒント