過酷な人間関係から、不登校、精神科入院、ひきこもり、そこから新しい人間関係を見つけていく実体験のお話です。
非常に表現力のある方で、素直な様子が文章から伝わってきました。家族や教師、医師とのつらい過去の話は、読んでいて胸を締め付けられるようでした。特に私も日常診療を問われて、反省させられるような気持ちになりました。
そうはいっても、そこから色々な偶然から新しい人間関係が生まれて、徐々に自分自身を取り戻していく姿はあたたかい希望の光のようでした。
先述した通り、序盤は読むのが辛かったですが、人に対してとる姿勢がどれだけ他の人の人生を動かすのか、読みながら記憶に刻むことは価値があると思います。
日々過ごしていて、あれができなかったとか、これがないとか、自分を責めたり、人生にがっかりすることはあるかもしれませんが、本当に自分にとってそれが価値があることなのか、ゆっくり考える時間を持つことも必要だと、この本を読んで思いました。