こころの診療所 から

宝塚市大橋クリニックの院長ブログです

ムツゴロウさんのお話

先日「あの人に会いたい」というNHKの番組で、畑正憲(ムツゴロウさんと呼ばれていました)さんが出ていました。

さいころから、ムツゴロウの動物王国を見ていた私にとって、最近、畑さんが亡くなられたのは、とても悲しいことでした。祖母とよくテレビを見ていたものです。

中学生の頃かな、畑さんの本が読書感想文の課題になっていて読んだことも思い出します。アメフラシを食べた話とか、なにせ探求熱心な方だったのでしょうね。

さて、その番組の中で心に残った言葉があったのでご紹介します。動物と向き合う心構えについてお話された場面の言葉です。

 

とにかくね 時間軸が長いんだよ

とにかくね 10年とか20年とかそういう時間軸だよ

その間にね 相手がぴかっと光ったものを こっちにくれるのはね 何秒かだよ

それがね 人生なんだっていうね

その退屈さっていうか もう営々と生きているね

そのところの部分が 一番大切なものじゃないですかね

 

畑さんは動物を相手にしたときの心構えとしておっしゃっていましたが、動物に限らず、仕事なり、自分の人生になりに通じるようなことのように思いました。

私なんかは、家を出て、職場について、仕事をして、家に帰って寝る、という繰り返しの生活をしています。内容は色々な変化はありますが、基本的には繰り返しです。多くの方もそうなのではないでしょうか?

繰り返していると、閉塞感というか、生活の意味や価値を見失いそうになることもあります。でも、その中でもたまに良いことがある。心が明るくなることもある。

それは恐らく、その繰り返しをコツコツと生きているからなんじゃないか、それが大事なんじゃないか、ということを畑さんの言葉から感じました。

以前、千日回峰行をした酒井雄哉さんの本もご紹介しました。千日回峰行は、毎日毎日苦行を千日繰り返します。酒井さんは、その日その日を生きることの大切さを書かれていました。繰り返しを生きること。シンプルですが、それが何かを教えてくれるのだと思います。 

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