こころの診療所 から

宝塚市大橋クリニックの院長ブログです

本の紹介: 夜と霧

ゴールデンウィークに何かしようと思っていましたが、本当に何もせずダラダラとしてしまいました。ただ、先日ご紹介したフランクルの「夜と霧」の古本が届いたので、改めて読んでみました。 読み始めてびっくり。いきなり解説から始まって、この解説が75ペ…

感染防護対策: 診察室と精神保健福祉士の部屋に工夫しました

先日、受付の感染防護対策をご紹介しました。薄いながらも透明感がよく、良い感じのように思っております。 さて、診察室と精神保健福祉士の部屋にも感染防護の工夫をしました。透明の仕切りを机に設置しました。 本日午後からこの環境で行っていますが、若…

受付に感染防護の工夫をしました

緊急事態宣言の中、みなさまいかがお過ごしでいらっしゃいますか? 以前のように気持ちよく外出できないのはストレスが溜まりますね。 当院では感染防護の工夫として受付に飛沫防止のビニールシートを張ることにしました。しっかりした素材のシートを購入し…

サイトの紹介: 親子でできるストレスコーピング

コロナウィルス感染では皆様ストレスを感じていらっしゃることでしょう。お子さんがいる家庭では、子供もいつも家にいるという非日常で親子ともどもストレスになっているかもしれません。 そんな時に参考になりそうな資料を教えてもらいました。読んでみると…

本の紹介: それでも人生にイエスと言う

コロナウィルスでなかなか家から出づらくなりましたね。人と会うのもままならず。 仕事や生活で大きな変化に大きなストレスを感じていらっしゃる方も多いと思います。 私は2社の産業医をしていて、会社でもテレワークの比重が進み、皆様試行錯誤されている…

本の紹介: ひきこもりなんて、したくなかった

過酷な人間関係から、不登校、精神科入院、ひきこもり、そこから新しい人間関係を見つけていく実体験のお話です。 非常に表現力のある方で、素直な様子が文章から伝わってきました。家族や教師、医師とのつらい過去の話は、読んでいて胸を締め付けられるよう…

本の紹介: 私がひきこもった理由

本の紹介です。「私がひきこもった理由」田辺裕著 ひきこもり経験者が15人のひきこもり経験者に会ってインタビューするという本です。なかなかできるものじゃありません。インタビューの雰囲気も伝わってきます。 それぞれの方の話を読んでいると、一口にひ…

本の紹介: 「双極性障害の人の気持ちを考える本」

本の紹介です「双極性障害の人の気持ちを考える本」加藤忠史著。 以前、加藤先生の本を紹介しました。「これだけは知っておきたい双極性障害」という本で、双極性障害(躁うつ病)についての様子、治療など全体像を説明してあるものです。 今回ご紹介するの…

本の紹介: ひきこもる心のケア (どちらかというと専門家・支援者向け)

今日は本の紹介です。「ひきこもる心のケア」杉本賢治編です。 引きこもり経験がある著者が専門家のもとをおとずれてインタビューするという面白い本です。大学の職員や地域の支援者などなどへのインタビューですが、支援者の中にはひきこもり経験者もいて、…

医療者向け: 10年前の研究が新聞に取り上げられました 「未知の感染症アウトブレイク下で病院勤務者のやる気を出す要因とは?」

コロナウィルス感染症のニュースが日々流れています。2009年に新型インフルエンザが流行した時も、感染症のリスクの高さがわからず、様々な方々が恐ろしい思いをしました。ずいぶん昔のことなので忘れている方も多いかもしれません。当時もマスクが店から売…

本の紹介: ボクはやっと認知症のことがわかった

本の紹介です。「ボクはやっと認知症のことがわかった」長谷川和夫著。 長谷川先生は認知症研究の世界で日本では超有名人です。物忘れの検査には代表的な2つの検査があります。MMSEというものと長谷川式スケールです。後者を作ったのが長谷川先生です。 私…

本の紹介: ひきこもり脱出支援マニュアル

ひきこもり脱出支援マニュアル 田村毅著を紹介します。 以前、斎藤環先生のひきこもりの本をご紹介しましたが、本書もよく似た構成の本です。ご家族からの質問に著者が答えるような形です。ただ、本書の場合は家族関係、家族の姿、主に親子がどう取り組んで…

地域の「医療と介護の連携」研修会でお話しました

先日、クリニックの所在地である小林地域の「医療と介護の連携」研修会で認知症についてのお話をしてきました。医療関係者、ケアマネ、介護士、訪問看護ステーションや高齢者施設の方などが集まります。年に1度ある会で、昨年も参加しましたが、今年は発表…

第7回 障碍者雇用啓発セミナー 精神障碍者がホームヘルパー ~社会適応訓練から雇用へ~ を聞いて

今回は当院精神保健福祉士木村のレポートです。 兵庫県姫路市香寺町にある有限会社サポートセンターれいめいの代表取締役 野村浩之さんとピアヘルパー(障害を持ちながらヘルパーをされている方)の2名による体験を聞いてきました。 何が精神障碍の方を雇う…

本の紹介: 「ひきこもり」救出マニュアル 実践編

著者の斎藤環さんは「ひきこもり」を注目させた最初の人と言ってよいでしょう。実臨床で多くのひきこもりの方の対応に当たってこられたのだと思います。家族が疑問に持ちそうな事柄について丁寧に答えるという形式の本です。 非常に参考になりますが、一方で…

宝塚市 思春期ひろば ルート~みちの途中~

木村精神保健福祉士・認定心理師からの見学報告です 宝塚社会福祉協議会さんが運営されている宝塚市内に3か所ある思春期ひろばの一つ、ルートに行ってきました。 www.city.takarazuka.hyogo.jp ルートさんは公園の一角にコンテナハウスが居場所になっている…

本の紹介: ADHDのペアレントトレーニング (今井注: 全然ADHDに限定された話ではないです!!)

今日は本の紹介です。「読んで学べるADHDのペアレントトレーニング むずかしい子にやさしい子育て」です。 この本は非常に残念な点があります。それは題名です。題名を見るとADHDを持つ子供の親のための本と思ってしまいます。しかも、”ペアレントトレーニン…

2020年もどうぞよろしくお願い申し上げます 本棚をつくりました!

本日より当院の仕事始めです。 昨年同様に自分や自分の家族が受けたい医療を目指して研鑽していこうと思います。また、引き続き地域のいろいろな機関との連携や訪問を通じて、医療を必要としている方に医療を届けられるように工夫を重ねていきます。 しっか…

本の紹介: 「これだけは知っておきたい 双極性障害」

今回は本の紹介です。患者さんのご家族から〇〇な時はどうしたらよいですか?など質問を受けることがあります。診察の中では十分に説明しきれないことは多いので、いつも良い本を探しています。 今日は、双極性障害の本です。加藤忠史著「これだけは知ってお…

杖やすめ

人間には五感(見る、聞く、嗅ぐ、触る、味わう)があるのは言うまでもないですが、日常生活を送っていると、視覚だけに偏ってしまったりして、他の感覚を忘れてしまうことがあります。 旅にでたり環境が変わったりすると、急に香りを感じたり、心地よい感触…

本の紹介: 自分でできる「不眠」克服ワークブック

今日はクリニックの本棚の本の紹介です。『自分でできる「不眠」克服ワークブック」渡辺範雄著、です。 渡辺先生は私が客員研究員として時々伺っている京都大学医学研究科健康増進・行動学分野の准教授です。不眠についての認知行動療法をロンドン大学留学中…

心療内科学会シンポジウムでの発表が掲載されました

昨年12月に恩師に声をかけていただき、札幌で行われた心療内科学会に参加しました。『在宅医療における心療内科的課題』というシンポジウムで4人のシンポジストの一人としての参加です。「精神科訪問診療の実際ー私の経験より」という題名で発表しました。 …

精神科病院の見学に行ってきました

以前に、とある精神科病院の見学のご報告をしましたが、今回は木村精神保健福祉士も入職したのでご挨拶を兼ねて、4つの精神科病院への挨拶、そのうち2つは見学までさせていただきました。 どのような病院で、どのような方針をもっていらっしゃるのか、実際…

継承して1年が経ちました

創業された大橋院長から、クリニックを継承して1年が過ぎました。 1年前のブログでは・・・ 「当院では自分や自分の家族に受けてもらいたいような治療を目指していこうと思っています。」 「治療を必要としているのに通院できない方にもお役に立てるよう、訪…

障害者能力開発校って何? 兵庫県障害者能力開発校レポート

精神保健福祉士の木村が色々な就労支援施設を見学にいってくれています。パンフレットやインターネットの情報ではわからないことが多いので、実際に見学して情報を収集してくれる職員がいるのは当院にとって大きな力です。 さて、今回は木村から、兵庫県障害…

お話ししてきました: うつ病とは何か? 歴史・人生・多文化の視点から考える (専門家向け)

先日、三宮で医師向けに講演してきました。 うつ病という概念について、特にDSM-IIIからの操作的診断が出現するに至った面白いエピソードをKendlerさんの論文を引用して紹介しました。多くの人がうつ病とは〇〇だという定義を提唱してきました。精神医学の信…

本の紹介: こうして乗り切る、切り抜ける 認知症ケア

クリニックにある本の紹介です。今回は認知症ケアの本です。 「こうして乗り切る、切り抜ける 認知症ケア」朝田隆、吉岡充、木之下徹 編著 こうして乗り切る、切り抜ける認知症ケア―家族とプロの介護者による究極の知恵袋 作者: 朝田隆 出版社/メーカー: 新…

多文化間精神医学会(京都)と文化結合症候群”Amok"の論文:専門家向け

2019年11月30日、12月1日に京都の龍谷大学で多文化間精神医学会が開催されます。 jstp26.jpn.org 多文化間精神医学会は色々な文化間で生じる精神医学的問題を扱っています。私自身は人類学のような面に魅かれて入会しましたが、難民問題だとか、海外の駐在員…

昨日より精神保健福祉士が着任しました

患者さんの生活や就労支援、地域との連携をより強化するために、昨日から精神保健福祉士が着任しました。 以前の職場で一緒に働いていたので気心がしれていて、大変しっかり仕事をしてくれるので心強いです。 昨日は色々な機関へのあいさつ回りにもいきまし…

本の紹介: CRAFT 依存症家族のための対応ハンドブック

本日は本の紹介です。「CRAFT 依存症家族のための対応ハンドブック」 私がCRAFT(=クラフト)のことを知ったのは、ひきこもりの方に対する家族の対応に悩んでいた時のことでした。でも調べると、そもそもは依存症家族のために作られたプログラムということ…